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2022/01/09
ドローンと空飛ぶ電気自動車について
ドローンと空飛ぶ電気自動車について
2022.1.9
空を飛ぶ自動車のお話は40〜50年くらい前にテレビが一般家庭に普及したせいもあって「これからは空を飛ぶ自動車が徐々に飛び始める時代になり・・・」と、世界中の漫画やマスコミが取り上げていましたが、そんな事にはなりませんでした。

その空飛ぶ自動車の絵はほとんど前と後ろに1個ずつドローンと同じような大きなダクトファンが付いていたのですが、その形での空飛ぶ自動車は現れませんでした。
アメリカでは自作で空飛ぶ自動車を作った人が何人かいましたが、すべて自動車型で翼を後ろに折りたたんでいて、飛行するときは翼の揚力で飛んでいました。

他にはロサンゼルスオリンピックのオープニングセレモニーに出てきたロケットマンやフライングデッキと言って手摺のついた丸いデッキの下にエンジン駆動で4mくらいのダクトファンで2重反転プロペラ回していたものが有りました。空気の取り入れ口は人が立っている大きな網目の床からで、吸い込み口全体が丸い網目のデッキになっていました。2重反転プロペラのジャイロ効果でとても安定していて、どちらも一人乗りでNACA(現在のNASA)が開発し、早くから飛んでいました。

技術的にはどれも水平を保つコントロールができなくて、ヘリコプターやオスプレイのようにプロペラのピッチコントロールでしか安定飛行できないのです。
でも、最近のドローンのようなモーターで有れば回転数の微妙なコントロールができる上に、スマホの中にある水平を保とうとする小さなセンサーやGPSで、しっかりとバランス制御が可能です。
コントロールスティックでバランスを取らなくても、強風の中で静止できているのはスマホの中に存在する小さな部品をうまく利用しているのです。

一般的なドローンには致命的なリスクが有ります。
航空機やヘリコプターは飛行中にエンジンが止まっても、そのまま滑空してどこかにソフトランディングができて助かる可能性が有るのですが、ドローンはプロペラが止まると墜落しますから、大きなパラシュートを開くか、戦闘機のように座席シートがロケット発射(ベイルアウト)してパラシュート降下以外助かる可能性が有りません。
でも、古くから瞬時にガス式でパラシュートを放出して開くシステムが有りますから、パラシュートが装備されると思っています。さらに地面に接近すると地面との間にエアバックが開くのかもしれませんね。

道路を走る自動運転技術は走行中に沢山の不確定要素が有って、高度な安全技術が必要ですが、空を飛べば、航空機と同じようにあらかじめ飛ぶ方向によって飛行高度が決められているトラフィックルールが有りますから互いに衝突する可能性が小さいです。
もし衝突するとしたら、そのトラフィックルールから移動する離陸や着陸の時の飛行ですから、互いに高度なトランスポンダを積んでいることで、衝突にはなりません。


話は変わりますがオスプレイの飛行システムについてお話しますね。
65年くらい前にアメリカで「ベルXV3」と言うオスプレイとほぼ同じ形式の飛行機が完成しています。
オスプレイは垂直に離陸と着陸ができることが最大の戦力ですが、もう一つの戦力は航続距離です。

ふつうに翼の揚力で離陸するのであればドローンやヘリコプターの推力の1/5程度の推力で離陸できます。水平に飛ぶ時は更に1/10くらいで飛び続けることができる理論が有り、翼の揚力で飛行すると燃費が良いのです。
オスプレイは見るからに推力効率の良い大きなプロペラを使用していて水平飛行では翼の揚力が有ることで、大勢の兵士や重たい荷物を積み込んでいても航続距離が驚異的です。

後書き
空飛ぶ電気自動車も近距離は小さなプロペラのドローン型で良いのですが,大きなローターで飛ぶヘリコプターはプロペラ効率が良いのでとても燃費が良いのです。さらに翼で飛ぶ航空機は航続距離を伸ばす事ができ、低燃費です。
1986年にはバートルータンの設計したボイジャーは、一度も着陸せずに地球を一回りしています。
今後はきっと翼を持った長距離型の空飛ぶ電気自動車も何種類か出てくると僕は思っています。
でも、日本では航空法がとても厳しいので、ライセンスを含めて許可は当面出ないと思います。

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